絶対に手は使える様にするから私を信じて
回復期病院にリハビリで転院した時には左側の全てはもちろん感覚は無く、麻痺側の肩は三から四指分の亜脱臼を起こしており、肘は痙縮により曲がっていました。このままでは手を使う事は出来ないという状態でした。
状態の酷さを見た先生は僕に何がしたいと尋ねました。
僕の回答は
大切な人がいます。その人と結婚して親子3人で手を繋いで歩きたいでした。
その回答に先生は
それを叶える為にはこのひどい痙縮を伸ばして手を使える様にしなくてはいけない。辛くて嫌な感じがして辞めたいと思うかもしれない。それでも全力で治療するから先生を信じてついてきて欲しいと言われました。
当時は辞めて辞めて辛いなぜこんなに辛い事をするんだとしか思っていませんでした。
でも先生は僕がリハ中に痙縮した筋肉を先生が伸ばしてくれた時に縮んだ筋肉がミシミシなるのがすごい辛く嫌で本当に辞めて嫌だと叫ぶ度に何度も気持ちを込めて声をかけて掛けてくれました!
このままじゃ嫌でしょ!
絶対に手は使える様にするから私を信じて頑張ろう‼︎
とかけてくれた言葉でいつも頑張ることが出来ました。
この言葉、この治療が次の回復期病院でこの時先生がどれだけの覚悟とご自分の資格をかけて全力で治療に向き合ってくれていたのかを知り涙が出ました。今思い出すと感謝の気持ちでいっぱいです。後の辛い時に度々先生のあの時の言葉と先生の真剣な顔を今でも思い出します。
次の病院でのやり取りはこんな感じです。
次にリハを受けたOT先生が最初のリハ病院の先生が研修時代のお世話をしていた先生だった様です。
仮に最初のOTの先生をS先生、PTの先生をF先生とします。次のOT先生をW先生とします。
W先生:SちゃんとF君からどんなリハを受けていた。
僕:こんな感じですごく辛くて大変でした。でも先生達は本当にすごく優しかったんです。すごい応援して頂いてるんだなって思ってました。
W先生:Sちゃんはすごい努力家だからSちゃんの知識とリハの技術力があって初めて出来る治療だね。私はSちゃんの治療で回復した今の現状でも私には悪いけどその治療は出来ないよ。下手したら自分の作業療法士の資格を失うことになるからね。F君勉強家ですごい優秀な先生だし、今のあなたがいれるのはOTのSちゃんとPTのF君がいたからだよ。あなたの状態を見るときっとF君も自分の全てをかけて治療してくれたんだと思うよ。内容を聞くとつくづくそう思うよ。
二人がいなければ今頃はきっと痙縮が酷くて左半身は絶望的だったろうね。本当によかったね。
最初のリハ病院でお二人の先生にどれだけすごい事をして頂いたのかは日記を書いていた事で鮮明に覚えてました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。